鍼治療とは?
鍼治療 (Acupuncture) とは、整体マッサージ・指圧では活性化、調整しにくいポイント(経穴・ツボ)に治療用の針(鍼)を刺す、入れることで、身体機能のバランスを正常に保つ恒常性維持機能、鍼という異物の侵入から身体を守ろうとする自己防衛機能、細胞を修復したり新しいものに交換する自己再生機能(修復・再生)を高めることが目的になります。
また、鍼治療でのツボ反射療法、トリガーポイント療法は慢性疼痛に対して有効な方法として知られています。
当院では、体質や症状に応じて、鍼治療で得られる刺激量を使い分け、的確な経穴(つぼ)に鍼を打つセンスと技術は鍼治療マニアの方から好評です。
痛みにデリケート、センシティブな人には、刺さない鍼、浅鍼、置鍼、音叉鍼、弱低周波鍼を、鍼治療の刺激が強めにひびく刺鍼でないと効果を得られにくい人には、単刺、深鍼、運動鍼、強低周波鍼を施します。
もちろん、滅菌・消毒された使い捨て (ディスポ-ザブル)の、鍼 (針)を使用するので安心です。
鍼治療が効く仕組み
鍼が効く仕組み、なぜ効果?どんな効果?
鍼が効く仕組みを理解できると治療効果が上がります。
鍼治療が色々な不具合症状に効果があるのは、ご自身の経験上、周囲の声で何となく知っている方は多いです。ですが、なぜ効果があるのか?どんな効果があるのか?まではイメージできてないと思います。鍼治療を受けている時に体内での作用、効果のイメージができるようになると治療効果が上がると多々報告を受けています。
鍼治療は通常は、治療用の鍼を皮膚の上から刺します。
通常というのは、鍼を刺さない治療もあるからです。
ここでの説明は鍼を刺す治療での仕組みになります。
鍼(針)は、直接皮膚の上から筋肉、腱(つぼ)に刺していきます。
皮膚(表皮・真皮・皮下組織に分けられます。)
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筋肉(筋外膜・筋周膜・筋内膜・筋原線維に分けられます。)
表皮 0.2mm程(角質層・有棘層・基底層・基底膜。基底細胞で新しい皮膚細胞が作られる。)
真皮 2mm程(線維芽細胞でヒアルロン酸・コラーゲン・エラスチンの成分を作り出す。コラーゲン、エラスチンで肌のハリ、弾力性を、ヒアルロン酸で肌の潤いを。)
皮下組織 2-8mm程(浅層脂肪組織・浅筋膜・深層脂肪組織・深筋膜。断熱、保湿、外部の刺激から体内を保護する。)
鍼治療はなぜ効果があるのか?
身体の、どの部位、どの深さまで治療用の鍼を刺していくのかによって、効果の違いはあるものの、皮膚、筋肉、腱、膜、神経、血管を鍼で刺激することです。
治療用の鍼の太さ、操作によって刺激量を変えることができ、鍼を刺すことによって体表、体内の圧力を変化させたり、微細な傷、小さな傷をつけることができます。
治療用の鍼を刺されるという刺激は、脳(身体)にとっては、侵害の刺激になります。
なぜ効果があるのかというと、その侵害を正そう、治そうとして、体液(血液・リンパ液・脳脊髄液・組織液など)の流れを変化させたり、細胞が活性化されたりして、自己治癒力が上がり、身体を良い状態に保つ様々な調整系の働きが正常化する作用があるからです。
鍼治療はどんな効果があるのか?
生体機能調整作用
痛みの場合、治療用の鍼で、皮膚、筋肉に分布している感覚神経を刺激することで、痛みを抑制する仕組を活性化できます。そうすることで鎮痛物質の放出を促進したり、痛みを伝える神経の興奮を抑制します。けいれんの場合、機能が異常に高まっている状態を抑え鎮めます。しびれ、麻痺といった神経伝達の低下の場合は、興奮作用により正常化に導きます。
血行促進作用
筋肉の血行から起きる、疲労、肩こり、腰痛、筋肉痛の場合は、血行を改善させ痛みの原因となっている発痛物質も流してくれます。関節炎などの炎症、腫れている炎症の場合は、患部に滞っている血液を他の部分に移動させ、循環を良くすることで炎症を鎮める作用を活性化させます。
調整力、免疫力の活性化作用
鍼治療では鎮痛効果、血行促進作用だけでなく、自律神経が支配する内臓、血圧、呼吸などの機能を調整する作用、免疫系(主に胸腺・骨髄などで免疫細胞が作られます。)、内分泌系(ホルモンを作って分泌する器官。視床下部、松果体、下垂体、甲状腺、副甲状腺、副腎、膵臓、卵巣、精巣など。)を正常化する作用もあります。
鍼治療を受けると各種白血球の数が増加し、血管内を流れる平均遊走速度が早くなるという研究結果の報告もあります。どういうことかというと、白血球は外部から侵入してきた細菌やウィルスを殺菌、ガン細胞などを処理する作用があるので、白血球数が増え遊走速度が早くなれば、それだけ病気にかかりにくい、病気に負けない体質づくりに鍼治療は付与できると考えられています。